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[日本語版オリジナル・JOMO杯] イ・ウンジェインタビュー
[ 2008-07-14 ]
「Kリーグの実力とプライドを示したい」と語るイ・ウンジェ選手
8月2日に東京・国立競技場で行われる『JOMO CUP2008』。日本のJリーグ・オールスターと韓国のKリーグ・オールスターが対決する同大会は、韓日プロリーグのオールスター同士が史上初めて対決するということで、大きな注目を集めている。7月7日には両リーグのオールスターチームを率いる監督と代表選手も参加のもと、メンバー発表を兼ねた記者会見も行われた。その記者会見に、Kリーグの選手を代表して参加したのが水原三星(スウォン・サムスン)のGKイ・ウンジェである。韓国代表の不動の守護神として2002年と2006年のワールドカップに出場し、所属する水原でも絶大な存在感を誇るイ・ウンジェ。記者会見後に数社との個別取材をこなし、その最後にKFA公式サイトとのインタビューに応じてくれた。

――たくさんのインタビューを受けて大変ですね。韓国ではあまりない経験だと思いますが、どんな質問が一番多いですか?
「大会への抱負と覚悟。それに尽きるね(笑)。まぁ、今回のオールスター戦のためのインタビューだから当然の質問だけどね」

――それでは、抱負と覚悟については後回しにして最後に聞くことにします。さて、まずは所属チームの水原についてお伺いします。今年は連戦連勝でリーグトップを走っていますが、その強さの要因はどこにあると思いますか? GKであるイ・ウンジェ選手の貢献度も大きいと思うのですが?
「僕ひとりの力で今の結果があるとは思っていないなぁ。すべての選手が努力しているし、選手たち一人ひとりが勝つために何が必要かを考えてプレーしていることが、今のチームの好調ぶりと結果につながっていると思う。もちろん、試合を重ねていけば肉体的にキツいときもあれば、気持ちの面でいまひとつ乗らないときもある。シーズンは長く毎週のように試合かあるから、いろいろあるわけさ。それでも今季は、チームが一丸となって努力を続けている。それが今季の水原の強さの要因。ただ、だからといって今の状態に満足しているわけでもない。もっと努力が必要だし、自分たちが求めるレベルにまでサッカーの質を高めることが重要だと思っているよ」

――長いシーズンの途中で行われるオールスター。今回の『JOMO CUP』は東京で行なわれるので、シーズン途中に日本に来ることになります。移動や環境、さらにはいつもと異なる形式でのオールスターとなりますが、イ・ウンジェ選手にとってそれはプレッシャーでしょうか、それとも“楽しみ”でしょか?
「プレッシャーもあるし、楽しみでもある。両方だね。どんな試合であれ、試合に出場する以上、僕たちプロはその試合に責任を持たなければならない。勝敗の責任、試合内容への責任、観客にベストを尽くす姿を見せなければならない責任。僕たちプロは、お金を払ってスタジアムに足を運んでくれるサポーターや、テレビで試合を見守る視聴者たちにも何かを示さなければならない責任がある。それに、どんな試合であっても、そこにはかならず、何らかの意味があるも。その瞬間は感じなくとも、月日が流れ振り返ったとき、自分が出場した試合の意義を感じたりするものさ。そういう意味で言うと、今回のオールスターはKリーグとJリーグのオールスターが史上初めて対決する意義深い試合だけに、その試合に出場する選手として責任を感じるし、意義深さも感じている。今日、オールスターメンバーがすべて発表されたけど、選ばれた選手たちは自信とプライドを持って8月2日に東京・国立競技場のピッチに立っているはずさ」

――史上初のKリーグとJリーグのオールスター対決ですが、どのような意味があると思いますか?
「日本でもそうだと思うけど、韓国Kリーグでもオールスター戦は国内だけでやっていたからね。いざ、こうしてJリーグと対戦することになると、感じることはたくさんあるよ。韓国の国民やサッカーファンたちは韓日対決というものに強い関心を示すし、僕たち選手たちもそうした関心の高さを身をもって感じているだけに、とても重要な試合になると思うね」

――韓日の国民感情が負担になると?
「正直、負担にならないとは言えないよ(苦笑)。どんなシチュエーションであっても、無条件で勝利を求められ、期待されるわけだから。ただ、先輩たちはそうしたプレッシャーを乗り越えてしっかり結果を出してきたし、僕たちも少なからずそういったプレッシャーを乗り越えてきた。プレッシャーを力に変えられることを、僕たちは知っている」

――オールスターというと“夢の祭典”というイメージが強いですが、今回ばかりはそうもいきそうにありません。本来のオールスターの意味合いを越えて、勝敗面も無視できない。というか、真剣勝負になりそうな気配ですが?
「そうだね。記者会見で両リーグの代表や監督たちも言っていたけど、“楽しさ”だけではなく、“勝負”にもこだわったオールスターになると思う。つまり、今回は真剣勝負の要素も持ったオールスターというわけだ。勝負となれば当然、勝ちたいし、勝たなくてはいけない。Kリーグの実力とプライドを、しっかりと示したいね」

――Jリーグに対する印象はどうですか?
「すばらしい選手が多いし、とても良いリーグだと思う。観客もたくさんいるし、KリーグからJリーグに行った韓国人選手からも、練習環境やクラブ運営などがとても整っていると聞いた。日本のカラーに合ったプロリーグとして発展し、今も成長を続けている。そんな印象を持っているね」

――Jリーグ・オールスターの顔ぶれを見た印象は?
「日本代表として活躍する選手も多いよね。彼らとは昨年7月のアジアカップでも対戦したので、特長などはわかっている。今日の記者会見に同席した楢崎選手もよく知っている選手だよ。個人的には代表戦だけではなく、A3チャンピオンズカップで横浜Fマリノスと対戦したり、アジアチャンピオンズリーグではジュビロ磐田と試合をしたこともあるので、Jリーグの選手たちと試合するのは初めてのことでもなければ、苦手意識もないね」

――昨年まで水原でチームメイトだったキム・ナミル選手がJリーグ・オールスターの一員となりましたが、彼を止める自信はありますか(笑)?彼のシュートを止められますか?
「もちろんさ。ナミルのシュートをどうやって止めるのかって? おもしろい質問だね(笑)。むしろ僕からゴールを奪うことが、ナミルにはプレッシャーになるんじゃないかな(笑)。ナミルも僕からゴールを奪うのは難しいことだと、内心では感じているはずだよ」

――キム・ナミル選手にメッセージはありますか?
「グラウンドで会おうと。そして、互いにピッチの上で一生懸命ベストを尽くそうと。そう伝えたいね」

――そのほか対戦が楽しみな選手はいますか?
「“この選手”だと選ぶのは難しい。すべての選手との対戦が楽しみだね」

――鄭大世(チョン・テセ)とは初めての対戦ですよね?
「そうだね。彼とは初めてだ。Kリーグ・オールスターの何人かは彼と対戦したことあるみたいだけど、彼も代表マッチとは異なるだろうから対戦が楽しみだね」

――韓国メディアは『イ・ウンジェ対鄭大世が初激突!』といった感じの報道をしそうですが…。
「特定の個人をクローズアップするような報道の仕方はあまり好きじゃないなぁ。サッカーは個人対個人の対決じゃなく、チーム同士の対決だからね。まして今回は広範な意味で見れば、韓国と日本の対決。北朝鮮代表と韓国代表の対決じゃない。KリーグとJリーグの対決だ。だから当然、テセも北朝鮮代表とは異なってJリーグ代表の意識をもって、Jリーグ仕様のプレーで臨んでくるはず。いずれにしても、テセのシュートを受け止めことも、楽しみだね。ただ、彼も自由にはできないだろう。Kリーグ・オールスターには素晴らしいDFがそろっているし、実際にテセと対戦したことがある選手もいるから、彼も手を焼くのではないかと思うよ」

――水原のDFで韓国代表でも活躍するイ・ジョンスのことですね。
「ああ。ジョンスだけでなく、今回のKリーグ・オールスターには優れた選手が多い。代表経験者も多いし、いつ代表に呼ばれても不思議ではない高い実力を持った選手たちばかりだ。確かに、一部は一般の知名度が落ちる選手もいるが、それも今だけのことさ。日本のファンはもちろん、韓国のファンたちも今回の試合を通じて、可能性にあふれたKリーグの新たな才能たちを発見するはずさ。今回の試合を通じて、Kリーグの再発見があるはずと、僕は見ている」

――では、今大会の抱負を。韓国や日本のサッカーファンたちにどのような試合を見せたいですか?
「ズバリ、Kリーグの実力とプライドだ。それを示すために僕たちは選ばれたと思っているし、選ばれた以上、絶対そのふたつを示さなければならないと思っている」

――昨今はACLや親善試合などでJリーグとKリーグの力関係が逆転し、韓国勢が劣勢を強いられている感もありますが、それについてイ・ウンジェさんはどう思っていますか?
「サッカーは勝つこともあれば、負けることもあるスポーツだ。確かに最近の成績ではJリーグが優勢だけど、だからといってJリーグとKリーグの間に実力差がハッキリ現われているとは思わないね」

――しかし、韓国メディアやファンたちの間では、KリーグとJリーグの比較が絶えず、実力面に関しては差が出てきたという声も絶えません。
「それが間違っているということを証明する方法はひとつしかない。Kの実力を証明するのは試合で勝つしかない。韓国のサッカーファンたちもそれを期待していると思うしね」

――今大会に賭ける意気込みのほどは?
「とても意義深い大会なので、多くのサッカーファンたちにいい結果、いい姿を見せられるよう一生懸命プレーしたい」

――それでは最後に、これからの韓国と日本のサッカー交流について意見や提言があればお願いします。
「いろいろあるけど、あえてシンプルに言うならば、互いにアジアでもトップレベルのリーグを持っている両国だ。切磋琢磨することでレベルアップができるなら、これからもどんどん交流して、今よりもさらに良い関係を築いていくべきだと思う。そうした競争パートナーすぐ隣にあるということは、両国にとって喜ぶべきことだと思う。ライバルでありながら、お互いに永遠のパートナーとしても関係を築いていく。今大会がそうした流れを作りさらに拍車をかけていくキッカケになること願うばかりさ」

取材・文=慎 武宏

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